数寄者の茶会

先週の土曜日、友人に誘われて前橋にある臨江閣での茶会に行ってきました。地方には東京にない茶があります。
建物は明治のものでとても雰囲気があります。
保存しているだけでなく、現在を生きる私達が使うことで益々建物を生き生きとさせているようでした。
お席は2席でどちらも本当に気取らずお茶を楽しんでいる亭主です。
濃茶席の男性は時代物の道具を集めて楽しんでいる方のようです。軸は「百雑砕」「ひゃくだっさい」とも読むようでした。始めて出会う言葉でしたが、この一年どうにもならない出来事をかかえていた私には心の中にす〜っと入ってくる言葉でした。この一年いろいろなことがあったけど、すべて粉々に砕いて捨てなさいといういさぎよさを感じる言葉でした。ただ捨てるのではないのです。砕いて捨てるのです。2015年の最後にこの言葉に出会えてなぜかほっとしました。
薄茶席は誘ってくれた友人の友人の席でした。軸は寒ければ鶏は上に上り、鴨は水に潜るというようななんともユーモラスです。
お席はかざらず気取らずとても和やかでした。花はハゼの緑の実と白い椿で朝鮮唐津の花入れにぴったりでした。
お弁当も東京にはないもので美味しかったです。
明治の頃のコーヒーと一緒にいただきました。シナモンと三温糖が入ったやさしい味でした。